社長からの提言

近年、発展途上国を中心とした人口の爆発的増加による食糧危機、二酸化炭素の増大による地球温暖化、ヒートアイランド現象、オゾン層の破壊、さらには熱帯地域での急激な森林伐採による砂漠地の拡大や大洪水などが頻発しております。21世紀を取り巻く地球環境は悪化の一途を辿っており、まさに人類は滅亡の危機に瀕しているのです。とりわけ、熱帯地域での森林の喪失は著しく、2003年5月26日にジュネーブで行われた国連森林フォーラムでのアナン国連事務総長の声明によれば、「1990年代における、熱帯地域での不法森林伐採よる森林の喪失は94万ku(日本列島2.5倍の面積)にも上り、地球全体でおよそ50億$(約6000億円弱)の損失である」とのことです。この他、東南アジア全域に及ぶ焼畑による森林の焼失や、南米の熱帯雨林地域におけるコークス採取のための大量森林伐採など、年間に喪失する森林の規模は計り知れません。そして、これら地球上の森林喪失の主たる要因に、山間地域、山村地域の貧困、貧富の格差が関与していることは言うまでもありません。
 われわれ東海グローバルグリーニングは、地球、人類救済のメソッドとしての地球緑化を活動の目的とし、より1本でも多くの樹木をこの地球上に植えていきたいという思いで設立されました。従来の森林産業は、植林とは名ばかりで、森林伐採による経済的利益のみを目的としているのが本質でした。長期的展望などはまったく存在せず、植林地の生態学的環境やそこに暮らす人々の地域文化への配慮も乏しく、森林伐採による利益のみを求めていたように思われます。第二次世界大戦後、急速に経済的発展を遂げた先進国は、紙パルプなどの木材需要を発展途上国である熱帯地域に求めました。本来東南アジア半島には生息していなかったユーカリ等の外来種を植えることによって、古来の伝統的生態系、森林地域文化を破壊し、森林の中で長年根付いていた共同体集落、部落社会を崩壊させてしまいました。近代文明を積極的に取り入れ、経済的発展を遂げた先進国の価値観が、本来森林の宝庫であった発展途上国を貧困へと導いてしまったのです。先進国の繁栄、豊かさの享受は、ある意味で発展途上国を襲う貧困という代償、犠牲の基に築き上げられたものであることを忘れることは出来ません。つまり先進国は、この地域の人々が自然と共存し、その恵みを享受する中で感じていたであろう、文明社会のお金や物には換えることの出来ない真の幸福の実感を人々から奪い、経済的コロニーにしてしまった原罪の罪を背負っていることを自覚しなくてはならないのです。また、先進国の資本主義経済はアダム・スミス以来の古典資本論の『利潤追求』において展開してきましたが、人間の限りない無秩序な物質的欲求の追求が、20世紀以降人類史上最悪の殺戮と地球環境の破壊という『負の世界遺産』を残してしまったことを深く真摯に受け止め自覚すべきだと思われます。われわれ東海グローバルグリーニングは、21世紀はこれら利潤追求型の経済に終止符を打ち、人類の真の幸福と平和のために地球環境浄化を中心とした経済活動を行っていかなければならないと考えました。そのために、20世紀の森林伐採を目的とした無秩序な利潤追求・環境破壊植林とは一線を引き、アジアの一員として東南アジア全域の森林生態系の保護と回復、また地球上から排出される二酸化炭素の長期にわたる固定を目的とした環境中心型の植林を行っていきます。森林保護を重視し、森林によって行われる炭素の固定化によって地球温暖化という負の世界遺産の解消に努める一方、経済的利益を森林伐採のみに依存せず、果樹等の換金樹木を育てることで不法森林伐採、焼畑から森林を保護し、貧困からの自立可能な、自然と人が共存する地域文化の創設に努めたいと思います。東南アジア地域から、森林伐採を必要としない、世界の植林の常識を変える植林事業を発信していきたいと考えております。


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